開業医の年収とは?開業医のメリットとデメリットも
これから開業医になろうか検討している人にとって、開業医の年収がどのくらいであるのかが気になることも多いはずです。そもそも開業医と勤務医との違い、開業医に資格は必要なのか、など気になるポイントはたくさんあります。開業医のメリットとデメリット、年収についてご紹介します。
◼ 開業医とは
開業医という言葉は聞いたことがあっても、厳密にどのような医者のことを開業医というのかが分からない人もいるかもしれません。そこで開業医と勤務医の違いについて、また開業医に資格は必要なのかについてご紹介します。
・勤務医との違い
勤務医とは、病院や診療所に勤めている医師のことをいいます。大学の医学部に通い、国家試験に合格すると医師免許を得ることができます。医師を目指す人は、どこかの病院に就職する形で勤務医になる人がほとんどです。開業医とは、病院や診療所を開業して経営していく医師のことをいいます。親が経営している病院や診療所を継ぐような場合や、何かしらの理由で自分が開業する場合に、勤務医から開業医になることがあります。
もともとは勤務医を続けられないような理由があったり、どうしても親の病院を継がなければならなかったりした場合に開業医という選択肢が生まれていました。しかし最近では開業医には独立やキャリアアップの意味合いも含まれている場合もあります。医師としての働き方はもちろん、開業医には「経営者」としての側面があるという点も勤務医との大きな違いです。
・資格は必要?
開業医は勤務医と違って自分の病院や診療所を経営していくことになるため、何か資格が必要になるのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし医師が病院や診療所を開業するにあたって必要な資格は医師免許以外に必要ありません。医師が自分の病院や診療所を開業しようと思った場合、場所選びや手続き、スタッフの採用など準備にたくさんの時間を要します。その上資格まで取らなければならないとなると、開業までに気が遠くなってしまいますよね。
勤務医や開業医の他に「産業医」という種類の医師もいます。産業医とは企業で健康診断や労働衛生教育などを行う医師のことであり、一定規模以上の企業には産業医の選任が義務付けられています。経営を安定させるために、開業医と産業医との兼任をしたいという人もいるかもしれません。嘱託の産業医であれば兼任できるため、産業医の資格を取ってみるのも良いかもしれません。
◼ 開業医のメリット
自分で開業する場合、病院で勤務医として働いて資金を貯めてから開業することが多いと思います。実際に開業医になることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
・理想の医療を追及できる
開業医になるメリットとして、自分が理想とする医療を追及できることがあげられます。勤務医だと、病院の方針に従わなければならなかったり、他の仕事に時間を取られてしまうこともあります。自分のポリシーと合わずにもやもやしている人もいるかもしれません。開業医になれば「患者様とのコミュニケーションを大切にしたい」「できるだけ待ち時間を少なくできるような病院にしたい」などの理想を叶えることができます。
・プライベート時間の確保
勤務医はものすごく多忙なイメージがありますが、開業医になるとプライベートの時間を確保できるのもメリット。勤務医は年に2000時間も残業しているといわれるほど忙しく、長時間労働である人が多い職種です。人間相手に仕事をしていることや予測が付きにくい状況が起こり得ることから、勤務時間を明確にしにくいのがその理由です。しかし開業医は診療時間や診療内容を自分で決めることができるため、勤務医に比べると自由な時間を作ることができます。
・定年がない
国立や県立の病院、公務員として働いている勤務医は65歳が定年と決まっています。民間の病院は定年制度がさまざまで、定年を決めていない病院もあります。開業医は定年がないため、何歳になっても働き続けることができます。勤務医として働いていて定年間近になると、定年後に働き口があるかどうかが心配になることでしょう。その点、開業していれば定年後の心配がないのがメリットとなります。
・年収アップを見込める
医師という時点で年収が高いイメージですが、開業医は勤務医よりも年収アップを見込めるのもメリット。しかし年収をアップさせるためには、医師としての働き方だけではなくうまく経営していく能力も必要です。開業前の立地選びや患者様の維持など、戦略や努力があってこその年収アップだといえます。
◼ 開業医のデメリット
開業医は理想の医療を提供できるだけではなく年収アップの見込みがあり、定年後の心配もいらないなど、メリットばかりのように思えます。しかしデメリットや大変な点もあるため、開業前に頭に入れておく必要があります。
・経営者としての責任
勤務医は、事務作業はあるにせよ医師としての仕事に専念することができます。しかし開業医は医師としてだけではなく経営者としての側面も持ち合わせます。スタッフのミスや患者様からのクレームなど、病院内で何かトラブルが起こった場合には、経営者としての責任を負うことになります。大きな病院に守られた一人の医師としての責任だけではなく、経営者になるということは病院自体の責任を負うことだという認識が必要です。
・スタッフやコストの管理
病院を経営していく上で、スタッフやコストの管理といった作業も行わなければなりません。開業前にはスタッフの採用、開業後もスタッフとのコミュニケーションやトラブルの対応など、気を配らなければならないことがたくさんあります。経営を成功させるためにはコスト管理も大切なので、診療時間以外にも作業時間が必要であることを頭に入れておきましょう。
・医療事故や訴訟といったリスク
医療事故や訴訟が起こる可能性があるというリスクは、開業医になることの大きなデメリットだといえます。勤務医として働いている病院で医療事故や訴訟があったとしても、そのまま働き続けるか違う病院で働くなどの選択肢があります。しかし開業医として開業した病院で同じようなことがあれば、患者様の数が減るだけではなく存続の危機に面してしまうこともあります。そのようなことのないよう、リスクヘッジの対策をしっかり練ることが大切です。
◼ 開業医の年収
開業医は年収が高いイメージがある人も多いかもしれませんが、実際に開業医の年収はどのようになっているのでしょうか。診療科目による違いや平均年収についてご紹介します。
・診療科目による違い
開業医の年収は、診療科目によっても違いがあります。最も利益が多いといわれているのが眼科であり、初診の患者様の割合が高いことや他の科目よりも単価が高いことがその理由です。逆に産婦人科は設備やスタッフの人数を抱える必要があるため、利益が少ない傾向にあります。
耳鼻咽喉科は一人当たりの診療費用が高いわけではありませんが、花粉症の症状によって患者様が増えていることから利益が見込める科目となっています。他にもリハビリなどでも通うことになる整形外科も利益が高いため人気の科目のようです。
・平均年収
開業医の年収は診療科目によって異なるということをご紹介しましたが、平均すると2017年時点で2,748万円となっています。勤務医の平均年収が1,488万円であることから、約2倍の差があることになります。勤務医は給料として収入得るのに対し、開業医は年収から経営や治療に必要なコストを負担することになります。そもそも開業医と勤務医では年収の仕組みに違いがあることを頭に入れておく必要があります。
◼ まとめ
これから開業医になろうかと検討している人にとって、勤務医と比べてどのくらい収入の差があるのかが気になることでしょう。そもそも勤務医とは病院で働く医師のことをいい、開業医とは親が経営している病院を継いだり自分で開業したりして、病院を経営している医師のことをいいます。産業医と兼任する場合を除いて、開業にあたっての資格は必要ありません。
開業医のメリットとして、理想の医療を追及できる点や定年がない点、収入アップが見込める点があげられます。勤務医は病院の方針に従わなければならないことが多いですが、開業医は自分の理想を追求した医療を提供することができます。また定年がないため定年後の心配がないこと、経営がうまくいけば収入アップが見込めることも大きなメリットです。
メリットがたくさんある一方、経営者としての責任が必要である点やスタッフやコストの管理を行わなければならない点、医療事故や訴訟のリスクがある点がデメリットとしてあげられます。経営を成功させるためには、どれもしっかりと対策を行う必要があります。
・白と茶、黒のバランスが良い医院の外観
病院には無機質な建物であることもありますが、こちらの病院は温かみのある色合いを使用した外観に仕上げました。白や黒だけではスタイリッシュすぎる印象になるかもしれませんが、茶色をバランス良く足すことで親しみやすい病院になりました。
・珍しい形状のおしゃれな外観の歯科医院
病院を選ぶ時の条件として、「きれいさ」や「清潔感」、「外観のおしゃれさ」などを挙げる人も少なくありません。こちらの歯科医院は珍しい形状の外観で、おしゃれな雰囲気に仕上げました。木目調が内装のあらゆるところに使われているため、殺伐としがちな待合室もお落ち着く空間となっています。
・1階が歯科医院、2階が住居スペース
白を基調としたシンプルな外観ですが、清潔感や高級感の漂う医院に仕上がっています。1階が歯科医院、2階が住居スペースとなっている建物ですが、内部で行き来することはできないようになっています。住居部分では真ん中に中庭が設けられ、それぞれのプライバシーを守れるつくりになっています。