クリニック経営を成功させる7つのヒント
開業医として、クリニック経営者としての人生を歩むことを決めたものの、どのように経営をすればいいのかがわからない、失敗はしたくない、不安になるばかり。そんな時に役に立つのが、クリニック経営を成功させるためのヒントです。
多くのクリニック設計、リフォームを手掛けてきた中で見えてきた、現在のクリニック経営の動向や成功につながる7つのヒントをご紹介します。
コラムのポイント
・数多くの病院、クリニックが存在している中、独自性を出し生き残っていくためには確かな医療技術はもちろんのこと、しっかりと固められたコンセプトや患者様に向けた的確なアプローチが必要になります。
・クリニック経営を成功に導くのは、『クリニックを続ける責任と経営力』『明確な経営理念とコンセプト』『人間関係の構築のスキル』『積極的な情報収集』『最適な開業地選び』『外観・デザインにこだわる』『SNSを活用する』です。
・今まで勤務医として積み重ねてきた経験と知識を活かしながら、社会貢献にもなるクリニックの経営を支えるクリニック設計は岡部克哉建築設計事務所にお任せください。
クリニック経営の動向
2017年の厚生労働省による医療施設調査によると、病院の開設数は
・医療法人 5766施設(病院総数の68.5%)
・公的医療機関 1211施設(病院総数の14.4%)
一般診療所の開設数は
・医療法人 41927施設 (一般診療所総数の41.3%)
・個人 41892施設 (一般診療所総数の41.3%)
となっています。また歯科診療所は
・個人 54133施設(歯科診療所総数の78.9%)
平成29年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/17/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/17/dl/02sisetu29-1.pdf
というように、数多くの病院、クリニックが存在しています。
これら強豪数多の中、独自性を出し生き残っていくためには確かな医療技術はもちろんのこと、しっかりと固められたコンセプトや患者様に向けた的確なアプローチが必要になります。
これからクリニックを経営していくのであれば、時代に即した経営知識と技術を身につけておきましょう。
成功に導く7つのヒント
大きな決断と多大な投資、準備により開業したクリニックは、長期経営を続けていく必要があります。経営の存続と収入の確保、地域社会への貢献のために活かすことができるヒントを見てみましょう。
クリニックを経営する開業医となると、すべての責任を負うことになります。日々の診断はもちろんのこと、赤字にならないための経営手腕も必要になります。
勤務医であれば、何か問題が起こったとしても、上司や同僚と解決策について話し合い、対策を講じることができます。また最終的な責任は組織や上司が取ることもあるでしょう。この責任が、医療面、経営面すべてで問われることになります。
日々、患者様の対応をしながらも経営判断と意思決定をし、課題の抽出と分析、取り組み、収益の向上、コストの最小化などを行います。また、ニーズを読み取り必要な医療機器の導入を行い、医療スキルや専門性も常に磨く必要もあります。開業医という経営者として求められることを行いつつ、良質なサービスの提供もし続けなければなりません。
社会に求められるものを提供しつつ、変化を敏感に感じ取りクリニックを継続させる責任を果たすこと。医療面はもちろん、生じた問題にしっかりと向き合い最善の一手を尽くせることが開業医に求められます。
開業医として経営をする上で、経営理念やコンセプトはすべての基盤となる大切なものです。
なぜ開業するのか、開業することで何を実現するのか、地域社会にどう貢献するのか、自分が開業することで何を与えることができるのか。これらをベースに、どんな医療サービスをするのか、どこの物件を選び内装はどうするのか、どのような人材を採用し育成して行くのか、が決まってくるのです。
クリニックの経営は、一人で行うものではありません。もちろん、最終的な責任を取るのは経営者ですが、ともに働くスタッフとともに独自のクリニックを築き上げていくのです。そのため、経営理念やコンセプトはきちんと共有し、理解されておく必要があります。これらの組織としての基盤が整っていることが、良質な風土を創り出し、そこに人が集まり、経営を持続していくことができるのです。
経営理念やコンセプトはSWAT分析を用いて明確にしていきましょう。SWOT分析とは、クリニックを取り巻く競合や市場のような外部環境と、クリニックのブランド力やサービス、医療技術のような内部環境を、プラス面、マイナス面にわけて分析することによりマーケティングの意思決定や戦略策定を行うものです。立地や専門性、差別化、開業後に生じる課題を明確にすることができます。
勤務医時代以上に求められるのが、人間関係構築のスキルです。スタッフや患者様以外にも、弁護士や税理士、地域行政の関係者、医療機器や資材の業者など挙げればきりがないほどの人と関わることになります。そして勤務医時代と違うのが、良好な関係性を築くのはもちろんのこと、どのような関係性で付き合っていくかも経営者として決断、行動していかなければならないという点です。
人間関係を様々な分野で構築することにより、経営に役立つこと、救いになることはたくさんあります。意思決定に迷う時、方向性に迷いが出た時に支えてくれるのも、周りにいる『人』です。フットワーク軽く様々な人とコミュニケーションをとり、経営者としても人としても器を広げ、人脈をつくっていきましょう。
クリニックの経営をし始めると、自ら取りにいかなければ最新情報を得ることが難しくなります。学会の情報や医療技術、医療現場の動向、最新の治療技術は勤め先にいれば手に入れやすかったものが、減ってしまう恐れがあります。
周りとの関係を築きながら、情報を積極的に手に入れられる環境を作っておきましょう。良質な情報を得続けることで、医療従事者としてのスキルを伸ばしつつ、地に足のついた経営を続けていくことができます。
患者様に足を運んでもらうには、クリニック物件の良し悪しはもちろんですが、どの場所に開業するかが後の明暗を大きく分けます。
その土地その環境によって、住民の生活環境や行動パターン、現在と今後の医療ニーズは大きく異なります。クリニックとして行うサービスと開業地のニーズが一致しているかは、駅近やショッピングモール付近といった一般的に良いとされている条件に必ずしも当てはまるものではありません。クリニックの経営理念・コンセプトを形にできる場所、クリニックとしての強みを最大限発揮し地域から求められる場所に開業地は決めましょう。
希望の場所が空いていない、交渉が難航する、といった不快を避けるために手早く場所を決めたくなるかもしれませんが、後の集患や収益、経営の存続を考えると徹底的にこだわることは大切です。唯一無二のクリニックを形にするためにも、開業に最適な場所を選びましょう。
クリニックに大切なのは、患者様が心穏やかに診療を受けることができるか、清潔感のある空間かどうかです。しかし、開業地やコンセプト、どんなクリニックにしたいかによって外観やデザインにはこだわる必要があります。
人の記憶に残る外観であれば、日常生活を送る人々の中にクリニックの存在を位置づけることができますし、洗練された落ち着いた内装であれば、また来たいまた来ようという再来院を促すこともできます。
クリニックにとって医療技術はあって然るべきですが、それ以外の部分でクリニック経営を補ってくれるのは外観やデザイン性なのです。
今や多くの企業だけでなく、個人もSNSを使って情報発信ができる時代になりました。クリニックも例外ではありません。看板やパンフレットだけでなく、SNSによって患者様は情報収集し、どこのクリニックに行くかを選ぶのです。このようにSNSは患者様とクリニック、医者を近づける役割を果たしています。ただ、SNSを始めたからといってすぐに集患できるわけではありません。患者様にどれだけ有益な情報を発信しているか、その情報によって良くなる未来をどれだけ描いてもらい、そうなるために行動してもらうかが重要です。
FacebookやTwitter、Instagram、LINEなど多くのSNSがあります。経営者とクリニックに合った性質を持ち、継続できる媒体を選びましょう。その中で、魅力的な情報を発信していきましょう。
クリニック経営を成功させるはじめの一歩
今まで勤務医として積み重ねてきた経験と知識を活かしながら、社会貢献にもなるクリニックの経営。ポイントを押さえて着実に実行することで、自然に成功の階段を上ることができるでしょう。
建物やクリニックをつくるということは人生最大のイベントのひとつです。
決して不注意なミスは許されません。
我々は常に、もし自分がこのクリニックをつくる施主だとしたらどうするか、常に施主様の立場を考えながら、設計や監理にあたっています。
スタッフや先生、患者様にとって良質なクリニック設計、リフォームは岡部克哉建築設計事務所にお任せください。