歯科医院開業を成功させる5つのポイント
歯科医院開業を決意したら、やることはたくさんあります。もちろん、初めてのことばかりなので戸惑い、手間取ることもたくさんあるしょう。これをいかにスムーズに進めていくかによって、経営自体が成功するかどうかが大きく分かれます。
今回は、歯科医院開業にかかる初期費用とともに、成功させるためのポイントをご紹介します。これからの歯科医院開業のお手伝いになれば幸いです。
コラムのポイント
・開業を決意したら、しっかりとイメージを膨らませた上で、具体的に現実を固めていきましょう。
・歯科医院開業には、初期費用の他に運用費用も必要です。どのように資金繰りを行うか、計画を立てておきましょう。
・開業を成功させるポイントは、自己資金の準備だけでなく、患者様が集まる内装や高い技術とコミュニケーション能力、最適な場所の選定、経営者目線を持つ、などが挙げられます。
歯科医院開業を決意したら…
歯科医として働き始めた頃から温めてきた、歯科医院開業という夢。夢を実現していくには、たくさんの計画と行動をしていく必要があります。どこに歯科医院を開院するのか、どんなコンセプトでどのような診療を行い、どんなデザインの内装にするのか…。まずはしっかりとイメージしてみましょう。その上で、具体的にイメージを固めていきましょう。
何事も、始めるにはお金が必要です。治療に必要な設備に備品、水道光熱費などの固定費。初期費用だけでなく、運転資金も必要です。診療報酬もすぐに手元に入ってくるわけではありません。経営を成り立たせ、歯科医院を続けられるだけの資金を用意しましょう。
歯科医院開業にかかる初期費用
歯科医院開院のためには、テナントに開院する場合安くても約1000万円、新たに建物からつくる場合は約4000〜6000万円必要と言われています。そのうちの半分〜1/3は内装にかかる費用になります。
・各種設備に必要な費用
歯科医院は他の業種に比べ、使用する設備が高価なものが多いためどうしても費用がかかります。
エアーコンプレッサー 30〜50万円
バキュームシステム 50~70万円
滅菌器 30~50万円
診療ユニット 250~500万円
レントゲン 500~1,000万円
などです。何台導入するか、グレードはどうするかなどにもよりますが、各種医療機器を揃えるだけでも多額な費用が必要です。
予算を考えながら、診療や治療ができるだけの医療機器を揃えていきましょう。
その他にも、石膏や歯科用金属などの歯科材料に約100〜200万円、家具や家電に約200〜400万円必要です。
患者様が利用するスリッパや傘立て、トイレや受付で使う備品も、忘れず用意しましょう。
・電子カルテの費用
電子カルテを導入するかどうかによっても、かかる費用が変わってきます。システムやサービスの内容によって費用は変わりますが、約100〜200万円に合わせて月々の保守管理費用が目安です。
購入しなくても、リース契約で導入する方法もあるので、合った方法を採用しましょう。
・広告・宣伝に必要な費用
新規開業の場合、まずは存在を知ってもらうことが大切です。
広告・宣伝費用 100〜200万円
ホームページの作成や広告、チラシなど運用の費用です。紙媒体や口コミだけでなく、インターネットを使った広告もしっかりと行うことで威力を発揮します。
また、人材募集も合わせて行うことも考えておきましょう。歯科医院の運営は、一人では難しいことも多いため、積極的な採用活動は大切です。求人媒体の使用量も、この費用に入ってきます。
・運転資金
運転資金は、経営が安定するまでの赤字を補填するために使われます。毎月の支出の3ヶ月〜半年分を見込んでおきましょう。
無理をせず、開業に向けた必要資金と運転資金の確保を行いましょう。
開業のためにはいくら必要で、どのくらい貯めればいいのか、融資はどうするか、などしっかりと考えて将来に向けた計画を立てましょう。
開業を成功させるポイント
数多くの開業をサポートしてきた中で見えてきた、歯科医院開業を成功させるポイントは次のようなものがあります。
ポイント① 自己資金の準備
先ほどもご紹介したように、開業には多額の費用が必要です。開業後の資金繰りを考えた上で、自己資金を準備しておきましょう。
現段階でどれだけ自己資金が準備できるのか、足りない部分はどうやって準備するのか、などシミュレーションを行うことで、ある程度の見通しを立てることができます。
ポイント② 患者様が集まる内装
患者様目線で、内装にこだわっているかはとても重要です。せっかく治療をするのであれば、家や職場に近いかどうかも大切ですが、おしゃれで洗練された場所に身を置けるかどうかも大切ですよね。
内装も、ただ洗練されているだけでなく、これから治療を受ける患者様が心穏やかに過ごせる場所、リラックスできる場所である必要があります。数多くの実績を持つ建築事務所を選ぶことで、これらはクリアにできるでしょう。
ポイント③ 高い技術とコミュニケーション能力
開業医としてやっていく以上、高い技術力は必要です。確かな技術が無ければ、患者様は安心して通ってくれませんし、口コミで周りの人に広げてくれることもないでしょう。常に技術力向上には意識を向けておきましょう。
そして、技術力とともに必要なのが、コミュニケーション能力です。しっかりと話を聞いてくれて、どんな治療をするのかを説明してくれる、といった信頼関係を築くだけのコミュニケーション能力があるかどうか。患者様は、想像以上に見ています。
ポイント④ 場所の選定
開院場所が悪ければ、どんなに素晴らしい歯科医院を造ったとしても患者様は足を運んではくれません。
すぐ近くに歯科医院がいくつもあれば、すでに多くの住民の方はそこに通っているでしょうし、集客意識が弱ければ知ってもらうことができません。どこで開業するかという場所選びはとても重要です。
ポイント⑤ 経営者目線
勤務医と開業医が大きく違うのは、経営者としての目線で物事を考えられるかどうかです。高い技術力以外にも、経営に関する幅広い知識が必要です。ここの土台が整っていないと、なかなか経営が成り立たずに苦労するかもしれません。
開業する以上関わることになる、税理士や弁護士、経営コンサルタントとしっかり話ができるだけの目線は身につけましょう。
要点を押さえた開業準備を
開業にかかる時間や費用、労力は並大抵のものではありません。しかし、そこを越えるからこそ見えてくる世界があります。
開業を成功させるポイントを押さえて、開業医という人生を実現させていきましょう。
岡部克哉建築設計事務所は、良い設計をして素敵な建物を作る事の効果を最大限高める事、これを突き詰めていきたいと思っています。
素敵な建物が出来れば、それを所有する方の所有欲も満たされますし、それを使う人も、大切に建物を使おうとしたり、こんな素敵な建物で働いている自分にプライドを持てたり。また、素敵な建物で治療を受けることで満足感を高めてくれる患者さんも現れます。
建物とそこで行われる診療などの行為がシンクロして、素敵な物事の始まりが沢山うまれる事を願っています。